最大出力100mW以上の小型・高効率で高速変調可能な波長532nm緑レーザモジュールを開発
2012-01-19
PRESS RELEASE 2012年1月19日
株式会社QDレーザ
国立大学法人東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構
株式会社富士通研究所
最大出力100mW以上の小型・高効率で高速変調可能な
波長532nm緑レーザモジュールを開発 ライフサイエンス用分析、産業用精密計測や超小型プロジェクタへの適用に期待 株式会社QDレーザ()(以下、QDレーザ)、国立大学法人東京大学ナノ量子情報エレクトロニクス研究機構()(以下、東京大学)、および株式会社富士通研究所()(以下、富士通研)は、波長532ナノメートル(以下、nm)で、高出力、小型、高効率で高速変調可能な緑レーザモジュールの開発に成功しました。QDレーザ独自の半導体DFB(distributed feedback)レーザ技術()をベースとした赤外高出力単一波長レーザと波長変換技術の融合により約0.5ccの小型化を実現し、プロトタイプ評価により最大出力100mW以上の連続高出力動作と、100MHz以上の高速変調動作を確認しました。本技術により、分光分析、蛍光分析を応用したライフサイエンス、バイオメディカル用途や、精密計測、非破壊検査などの産業用途、さらには将来の超小型プロジェクタなど広いアプリケーションへの適用が期待されます。QDレーザでは今回の技術を用いた出力50mW以上のモジュールQLD0593-P50の2012年上半期からサンプル出荷、下半期からの量産出荷を計画しています。 本発表の緑レーザモジュールは、1月24日から米国サンフランシスコで開催されるSPIE Photonics West(ブース番号5307)にてデモ展示を実施いたします。 なお、本技術開発の一部は、NEDO「超小型プロジェクタ用小型高速高出力緑色レーザモジュールの開発」の助成、および文部科学省イノベーションシステム整備事業の支援を受けています。 近年、ライフサイエンス、バイオメディカル用途や、精密計測、非破壊検査などの産業用途で高出力の緑レーザの重要性が高まっています。ライフサイエンス用途では、蛍光分析での緑色のみに反応する物質の検出や分光分析などで、また産業用途では、赤色などに比べ視認性が高いことから特に緑色への要求が高まっています。しかし、光ディスクで用いられる赤色、青色領域や、光通信で多用される近赤外領域と異なり、緑色領域では半導体レーザでの出力特性に制限が多いため、高い出力を利用するアプリケーションではダイオード励起固体レーザ()が用いられているのが現状でした。このようなアプリケーションでは、レーザの小型化や高効率化とともに、レーザ光の波長の安定性や高速変調動作の実現が求められていました。 QDレーザでは、東京大学、富士通研と共同で開発を進めてきた、独自の半導体結晶成長技術、高精度の回折格子形成技術、さらには半導体レーザ設計技術をベースに、今回、波長変換レーザに最適化した発振波長1064nmの高出力単一波長レーザを開発しました。さらに、このレーザ素子と波長変換素子を組み合わせる、精密モジュール化技術を開発し、体積が約0.5ccと非常に小型でありながら波長532nmにおいて、100mW以上の高出力で動作するモジュールを実現しました。プロトタイプの試験結果では、100mW出力時の消費電力は約900mWであり、10%以上の高い出力変換効率が得られています。光出力スペクトルとしては波長幅0.01nm以下の優れた単一波長特性が得られ、特に、精密な分光計測分野や光干渉計測分野への応用が有効と考えられます。さらに、100MHz以上の高速変調や1ナノ秒以下の短パルス動作を単純な直接変調によって実現することを確認し、時間分解分光などのアプリケーションへの応用に対しても高い有効性を示しました。また、このような小型・高効率特性や高速変調特性は、近年、大きな注目を集め、市場が拡大しつつある、ヘッドアップディスプレイや超小型プロジェクタへの適用も期待できます。 QDレーザでは、出力5mW以上のモジュールQLD0593-P05のサンプル出荷をすでに開始しており、出力50mW以上のQLD0593-P50についても、2012年4月よりサンプル出荷、同下期より量産開始を予定しています。また、ファイバーレーザ用種光源などの産業用を主なアプリケーションとする1064nm帯のDFBレーザモジュールも商品化しており、すでに国内外30社以上へ出荷をしています。独自の半導体ウエハ、回折格子形成技術をもとに波長対応性に高い自由度を保有しており、現在、1030nmから1300nmまでの幅広い波長範囲のDFBレーザラインナップ拡充を進めています。波長変換素子との組み合わせにより、515nmや、555nmといった特定の緑色の単一波長レーザ対応や、560nmから590nmといった、黄色から橙色領域へのラインナップ拡大のポテンシャルを保有しており、今後も、市場からの要求に応える技術開発を進めていきます。